その定年退職通告は「不合理な解雇」だ

ゼネラルユニオンAUGUST 2021

8/9/2021

組合員が無期雇用契約労働者であるにもかかわらず不合理な退職の条件を設定している。定年の設定を禁止する法律はない。そして、無期雇用契約を申し込みとその権利を得る際の年齢を制限する法律もない。従って、無期雇用契約に転換した僅か1~2年後に年を設定することが合理的であると考えられる可能性は極めて低い。なぜなら、このような退職規程は、労働契約法で定められた無期雇用契約が労働者にもたらす利益、即ち、雇用の安定を損なうことになるからだ。

厚生労働省は無期雇用契約と定年の設定との関係について、以下の指針を示している。

「労働契約において、労働者が一定の年齢に達したことを理由として労働契約を終了させる旨(定年)を定 めることは可能です。  もっとも、就業規則における定年の定めについては、労働契約法第7条、第9条及び第 10 条に定められ ている就業規則法理の適用を受けるものであることに留意が必要です(※)。無期転換ルールの趣旨も踏まえ、 労使でよく話し合って十分な理解を得た上で、適切な労働条件の設定(定年の定め)をする必要があります。 ※ 例えば 65 歳で無期転換した者の定年を 66 歳とするような場合など、無期契約に転換するという無期 転換ルールの趣旨を没却させるような目的で定年の定めをすることは、法の趣旨に照らして望ましいもの とは言えません。同様に、無期転換ルールの趣旨を没却させるような目的で、無期転換時の年齢に応じて 定年が無期転換後すぐに到来するように段階的な定年の定めを設定すること(例:無期転換申込権行使時 の年齢が 66 歳の場合は定年は 67 歳、行使時の年齢が 67 歳の場合は定年は 68 歳とするような場合など) も法の趣旨に照らして望ましいものとは言えません。」

下記のケースについては、労働局とのやりとりで、一方的な退職通告は、特に無期雇用契約が数年前に付与されていた場合には、退職ではなく不合理な解雇として扱われる可能性があるという見解が示されている。

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四天王寺大学で進行中の闘いに注目しよう。

日本全体と同様に、ゼネラルユニオンも組合員の高齢化に直面しており定年退職の問題は重要課題の一つになっている。我々は労働組合として、誰もが死ぬまで働かなければならない社会を望んではいない。一方、組合員の多くが年金のないパートタイム労働者であり、簡単に退職できないことも現実である。

特に大学では、多くの組合員が無期雇用契約を結んでおり、一部の大学では、この雇用保障をないがしろにするために、