韓国人非正規労働者vsNTT

「裁判概要」
被告である「NTTアクト」は、NTTグループの一つであり、資本金1億円、売上高1230億円(2015年基準)、従業員数20990名(登録型派遣社員数含む:20177月当時)を有し、NTTのコールセンター事業のみならず、自治体や企業に対しての多言語通訳・翻訳サービスなどを提供している。

「事実概要」
採用面接に至る経緯
  1. 2015年、同奎(ハンドンギュ)は、NTTに直接雇用され、NTTアクトの多言語センター(CMAC)の韓国語通訳翻訳担当チームに従事していた。
  2. 201511月、当時の多言語センター韓国語チームのSV(リーダー)である安紅梅から、韓国語チームで通訳翻訳担当者として、一緒に働いてくれる人材を探しているので、韓国語が堪能な人を紹介して欲しいと、咸さんに告げられたため、かつて同人勤務していた「大阪外語専門学校」で、韓国語講師の同僚であった原告(盧相永)に、アクトで働く気があるかと尋ね、原告が働きたいと答えると、直ぐに彼は、会社にその旨を伝え、のちに会社から面接のために履歴書を準備して欲しいという知らせを原告に伝え、その後咸さんが盧相永の履歴書を預かることになる。
  3. 2016212日に面接が行られる、その日に合否判定が行われ、直ぐに咸さんから盧相永に電話で合格の事実を知らせる。
  4. 2016216日に、ハンさんは、会社の統括マネージャーから、マンパワーグループ株式会社の名刺を渡され、原告に名刺にこの名刺に記載されている会社に行くように伝えてほしいと告げられた。そこで咸さんは、名刺を携帯のカメラで撮影し、それをそのまま電子メールに添付し、原告に送ったうえ、原告である盧相永にマンパワーに行くように伝えた。
  5. 2016219日に、マンパワーで1か月は研修期間であり、201642日以後は、3か月ごとの有期契約であることが伝えられた。
  6. 盧相永は、201632日からアクトで勤務を開始する勤務当時、原告はあくまでもマンパワーは、NTTの人事部分の一部であるという程度で認識し、勤務を始めたが、その後、自信でインターネットでを使って、マンパワーとNTTアクトは、なんの関係がない、大手の人材派遣会社であることを知った。
  7. 原告は自分の意志や同意もなく、いつの間にか派遣会社に自分が登録され、かつ派遣会社に所属されたことに気づき、それをNTTアクトに強くなんども異議を唱えたが、そのたび無視されたため、結局裁判闘争に踏み切ることになった。

「争点」
  1. 本人の同意もなしに、本人に事前説明や派遣会社に行かされた敬意などの説明不在のまま、マンパワーに所属させられたこと
  2. 同一業務同一賃金原則に違反し、原告には交通費もなく、その上賃金の差別があったこと
  3. 会社なかで幾度も嫌がらせや正社員や契約社員と違う形で、待遇の差別を受けたにもかかわらず、会社は一切の救済措置や待遇改善に努力を全くほどしなかったこと
  4. 原告が組合にはいることにより、一層原告に対してのパワハラ―や嫌がらせをうけたこと
  5. 会社側は結局韓国語チームを多言語センターから、売り上げ低下という名目で閉鎖し、その結果原告を雇止めさせたこと

「この裁判闘争が意味すること」
  • 外国人であり、ニューカーマ―である韓国人の非正規労働者が、いかに最大手企業で不当な待遇と権利や尊厳の侵害をうけていること
  • 会社側の詭弁論がいかにでたらめで、欺瞞に徹した論理構成で、社会的な弱者を無視していること
  • これ以上、第23の犠牲者が出ないように、最後まで会社を相手に裁判闘争に貫くこと
  • 個人の利益のために会社を告訴したわけではなく、日本社会の底辺で働いているすべての労働者に、その尊厳と価値を尊重してほしい、正規職や非正規など関係なく平等に労働の価値を認めてほしい
  • 裁判の行方は重要ではなく、告訴したことに意味があり、一人の外国人非正規労働者が、どこまで巨大企業を相手に、企業倫理や社会の平等と労働の尊厳を求めていくかに尽きる。

「今後の流れ」
20181226日に大阪地裁民事部で、結審裁判が開かれる予定で、
最後は年明けに、白黒をつける裁判判決が法廷で言渡される予定である。