大阪全労協経過報告と今後の課題

<はじめに>

201212月に第2次安倍政権が成立した。以来、数々の悪法が強行的に可決されてきた。
  • 2013年5月 マイナンバー法 可決
  • 201312月 特定秘密保護法 成立
  • 2015年9月19日 戦争法の強行可決
  • 2016年3月29日 戦争法施行
  • 2017年5月15日 共謀罪 強行可決
第2次安倍政権の成立以降、上記のように極めて問題のある法律が次々と強行的に国会を通過させられてきた。これまでも、国は情報は出さない、という「知らしむべからず、よらしむべし」とする方針で私たちに臨んできたが、更に、市民の情報はすべてをネットを通じて一元的に把握し、行政の重要な情報は秘密指定して市民には出さない体制を作り上げてきた。その上で、これまで政府自身が違憲としてきた「集団的自衛権」を内閣法制局の人事を入れ替えて「合憲」と見なした上で閣議決定し、その上で「戦争法」を可決して、自衛隊の米軍との共同行動を合法化してしまった。そして、昨年の大会直前には共謀罪を強行可決。罪刑法定主義と言われてきた、「犯した犯罪によってのみ裁かれる」ことから、「犯罪を話し合った」ことが処罰される事へと変えられてしまった。
 
安倍が盛んに主張してきた「戦後レジュームからの脱却」という言葉通り、憲法と法律の根幹が安倍と自公政権により強行的にゆがめられてきたのである。
 
そして今、世界を跋扈する「新自由主義」の流れに乗って、労働基準法が根幹からゆがめられようとしている。すべては、大資本と一握りの富裕層のための社会へと変えられようとしている。

【森友・加計学園に見られる独裁強化】
この小見出しは昨年の大会議案にも載せたものである。1年たったが問題はよりはっきりしているにも関わらず、安倍首相は「私は指示していない」とのみ述べて事足れりとしている。昨年の10月には「疑惑隠し」と言われながら衆議院を強引に解散した。しかし、その後出てきたのは、財務省による文書改ざんであり、柳瀬首相秘書官の「家計学園は首相案件」と愛媛県などに述べた面談記録である。それでも「私は指示していない」と安倍首相は言い続けている。どんな証拠も安倍首相の前では証拠ではなく、自分が認めない限り指示はなかった、との開き直りには、開いた口がふさがらない。
 
次々と出てくる森友・加計の疑惑を裏付ける証拠、にも動じない安倍首相の開き直り、麻生財務大臣の言いたい放題にさすがに支持率が低下し、ようやく自民党の中に安倍外しの動きが出てきている。しかし、ここまでこないと安倍追従を続ける与党国会議員には良識がないのかと唖然とするしかない。安倍の権力私物化・お友達優遇を許してはならない。良識的な官僚は前川元文部科学次官のようにはじき出され、権力におもねる官僚機構は公文書毀損までおこなうこの異常を許してはならない。

【大もうけする財界・縮む勤労者の財布】
 昨年の大会議案でも大企業がどれだけ儲けているのか書いた。今回の更にもうけの額が増大した。企業の内部留保は2014年度355兆円 2015年度377兆円であった。2016年度は406兆円となった(2017.9年次別法人企業調査 財務省)。29兆円増加した。

金融・保険業を除く2016年度の純利益は497000億円であり、うち20兆円が配当に回されている。更に付け加えると(新聞報道にもあったが)大企業は今期莫大な利益を上げている。2016年と比較しても2017年の経常利益は10兆円増加している。

【「経済の活性化」が問題ではない】
IR法案が衆院で強行可決された。経済の活性化に資する、との政権の主張であるが、その経済効果の試算すら明らかにされておらず、逆に、賭博依存症は間違いなく増加すると指摘されている。これまで、少なくとも民間にかける賭博は違法とされてきたが、この法案により、賭博は違法ではない、となってしまう。
 
上述したように、大資本・富裕層は大もうけを続けている。5年前と比較して、5人以上の事業所の平均給与(正規非正規を含む)では、272,406円が277,272円と1.7%増加しただけである。一方消費者物価は2013年を100とすると、2018年は104.88と、5%近く上がっている。勤労者の生活は厳しくなりこそすれ、全く改善されていないことは明らかである。(政府統計より)
 
非正規労働者はやはり拡大している。昨年の大会議案書では、2023万と報告した。今年度(2017年の統計)では、2036万人と13万人増加した。65歳以上の高齢労働者は15万人も増加している。(グラフ参照)
 
また、一方で格差は拡大するばかりで、若者は夢を抱く事ができず、結婚なんてとんでもないという状況が続いている。少子高齢化と人口減少がいよいよ現実の問題となってきており、労働力不足がニュースをにぎわせている。政権と大資本が自らの目先の利益ばかりを追求する限り、日本社会は萎れていくばかりであろう。

【労働法制改悪に反対する】
このような中で、安倍自公政権はついに改悪案を強行可決した。労働基準法の根底的な改悪となる「高度プロフェッショナル」法案は、1075万円以上の高収入と専門的技術のある者には時間管理をしなくて良いというものである。労働団体はさすがの連合も反対しており労働団体に賛成はなく、ここに来て経団連はこれまでの「年収基準を400万円まで下げることが目標」を封印し、「年収基準を下げること考えてない」と目先をごまかして成立を図った。その前提となるはずのどれだけの必要があるのか、当事者の要望があるのか、については、3業務12人から聞き取りをしただけであり、それぞれが1~4行のコメントだけ、調査方法も明らかにしていないものでしかなかった。(朝日新聞5/23朝刊)過労死家族会はこの法案の削除と安倍首相との面談を求めて座り込みをおこなったが、これらの反対を全く歯牙にもかけずに6月29日には維新の会の賛成も得て強行可決の暴挙となった。
  
安倍政権の頭にあるのは、徹底した収奪の強化、大資本の繁栄であり、そこには労働者が働いていることなど全く考えていない。トランプ政権と足並みを合わせて、企業減税を推進し、世界的な企業減税の競争を煽っている。
 
市民・労働者が夢を持てずに生活に喘ぎ、一方富める者はかつてない繁栄を謳歌するような社会を許してはならない。
 
みんなの力で、やりたい放題を止めていこう!

【東アジアに緊張緩和を】
朝鮮半島での南北首脳会談に続き、米朝首脳会談が開催された。そして、朝鮮民主主義人民共和国の非核化への話し合いの間は、米韓軍事演習を見合わせる、とのトランプ政権の方針も明らかになった。戦争の恫喝をかけ続けてきたトランプ政権がとりあえず緊張緩和へと舵を切ったことは大いに歓迎する。
 
安倍政権の外交政策はひたすら圧力一辺倒であり、大胆な国際関係の変化に対応できずに右往左往している。私たちは、この流れを加速させ、朝鮮半島の非核化の方向を確定させて行かなくてはならない。それは、朝鮮戦争の休戦から終戦協定の締結であり、日朝国交回復である。
 
「日朝関係は拉致問題がすべて」であるような世論誘導がなされている。拉致は許されない犯罪であるが、旧日本帝国主義がおこなった植民地化と収奪、強制連行なども許されざる犯罪である。日朝関係の修復は、この両面が解決されなければならないことを改めて指摘しておきたい。

【沖縄の闘いに連帯しよう】
沖縄辺野古基地建設が強行されている。オール沖縄の強い県民意志を踏みにじり、全国各地から自治体警察であるはずの機動隊を沖縄へと派遣し、反対運動を押しつぶそうとしている。岩国でもそうであったが、時の中央政権にまつろわない自治体に対しては交付金を停止すると、露骨な札びらで圧力も加えてきた。
 
地方創生がこれからの時代のキーワードとされる中で、沖縄の民意だけは押しつぶしても構わないとするヤマトの姿勢は、いわゆる「琉球処分」といわれるヤマトの政策をそのまま受け継ぐものであり、私たち自身が沖縄の人々と連帯する中で乗り越えて行かなくてはならない。
 
いよいよ大浦湾への土砂投入が始まろうとしている。なりふり構わず民意を踏みにじり沖縄の人々の平和への思いを圧殺する暴挙を許してはならない。沖縄の闘いに連帯していこう。

<私たちの取り組み>

2006年の第1次政権発足以降、<3・11>をはさんだつかの間の民主党政権期を除いて、改憲と軍事国家化を隠そうともしない安倍政権が現在に至るまで続いている。とりわけ第2次政権が発足してからは、政権の弛緩し切った倫理規範のせいか、労働法と憲法の精神のかけらも持ち合わせていない使用者が増えてきている。さらにそれに輪をかけて悪徳弁護士と悪徳社労士が跋扈するようになってきている。私たちが労働運動に取り組んでいる<現在>はそのような時代として、今眼前に広がっている。
 
とくに安倍政権による労働法制改悪によって、確実に非正規労働者は増加し、その労働条件は悪化してきている。しかし、苦闘が続く中にあっても、常に希望を感じさせる闘いがあり、未来を求める労働者が存在している。
 
一方、この間の大阪全労協に顕著な動向は、加入労働組合数の減少である。この理由ははっきりしている。かつて、闘わない既成労組から分裂して戦闘的労働運動を立ち上げたり、逆に資本の執拗な御用労組化・第二組合分裂策動などの攻撃を耐え忍んで闘う第一組合の旗を守り抜いた労働組合を支えていた中心部分が続々と退職し一線から離れていっているためである。そのためいくつかの労組はもはや組合組織を維持することができず、無念ではあるが解散の道を選択せざるをえなくなってきている。こうして離れていく私たちの先輩たちに対して感謝と敬意の念を表したい。
 
しかし、このまま大阪全労協全体が縮小方向に向かうと思ったら大まちがいだ。先ほども書いたように、希望と未来はそこかしこに点在している。まだうまく点と点をつなげていないだけだ。これからの私たちの課題は、まさにそこにある。そのために闘っている加盟労組の特徴ある闘いのいくつかを紹介したい。
 
現在、もっとも組合員数の増加が著しいのがゼネラルユニオンである。とくに私学・英会話学校等での外国人組合員の闘いは、ECCでのストライキ闘争なども含めて着実にひろがっている。
 
裁判闘争で大きな闘いをつくりあげたのが郵政産業労働者ユニオンである。労働契約法20条に基づいて「同一労働同一賃金実現!」「非正規労働者への差別を許すな!」を掲げて東日本と西日本で相並んで裁判闘争が闘われ、東西ともに今年地裁の判断が出された。とくに、西日本の大阪地裁の判決では今後の武器ともなる判断が示された。
 
公務員部門での非正規労働者については、大阪教育合同労組が結成以来取り組んでいる課題である。非正規労働者(とくに労組法適用の非常勤労働者)についてすでに組合側勝利の最高裁判決が確定しているにもかかわらず、この1年間で大阪府・府教委はまたもや不当労働行為を重ねている。これに対して教育合同は果敢に闘っている。
 
業界平均賃金が全労働者平均賃金より10万円は低いと言われている分野で労働者を組織している福祉・介護・医療労働者組合(ケアワーカーズユニオン)では、労働者の働きやすい職場をつくるため、労組・事業所・地域が一体となって介護問題の取り組みをめざす「安心できる介護を!懇談会」運動をつくっている。それは単なる労働者の自己犠牲の上に成り立つような運動ではなくその取り組みの中心には争議を闘う労働者が屹立している。
 
とくに最近のことで、全国の労働運動にとって試金石となったのがいわゆる<2018年問題>であった。労働契約法18条による有期雇用5年の労働者の無期雇用転換申請権の発生が2018年4月1日であることから、使用者側はなんとか法の目をかいくぐろうと就業規則にもない5年雇い止めを突然言い始めたり「クーリングオフ期間」を持ち込んだりしている。正規労働者中心の本工主義労組である連合大手単産がこれらの取り組みに積極的に動いた、というような話はついぞ聞いたことがないが、大阪全労協では対象労働者を組織する労組が積極的にこれに取り組んだ。全日建連帯ユニオンの呼びかけもあって、4月1日にはこの件に取り組む労働組合が集まり記者会見も開いた。
 
ほかにも、書記長の指名解雇攻撃と2年越しで闘う大阪YMCA労組、非正規の全員正規化を求めて長年闘いほぼその実現を勝ち取った大阪清掃合同労組、使用者側のスラップ訴訟と闘って勝利し今後はケアワーカーズユニオンの1支部となって福祉理容などに取り組む大理生労組など、それぞれの加盟労組が原則的かつ元気のある闘いを展開している。

春闘のとりくみ
2018春闘と私たちの闘い】
今春闘の賃上げは、連合調べで加重平均6,061円、2.09%となった。20152.28%→20162.02%→20171.99%というこれまでの賃上げ率の推移と比べるとほんの少し今年は上向きになったようだ。とくに連合は、300人以下の中小労組の賃上げ率が大手労組の賃上げ率を上回っていることを強調しているが、このことが私たちの生活が改善されていることの証明にはならない。なぜなら、打ち続く安倍政権のもはや死語でしかない「アベノミクス」政策によって、賃金のごくわずかな上昇を上回る勢いで社会福祉諸政策の劣悪化と課税強化が進行しているからである。このような状況を打破するため、私たちはジェレミー・コービンやポデモスのように反緊縮の立場に立った経済政策を要求する必要があるだろう。

【春闘決起集会】
2月16日、いつものようにエルおおさか南館ホールでおおさかユニオンネットワーク主催の2018春闘決起集会が開催された。今年のメインスピーカーは派遣ユニオンの渡辺照子さん。非正規雇用の当該として現在進行形で闘っている渡辺さんの語りは、その飾らない口調とともに私たちの心に響いた。そのあとは、各労組の争議報告がおこなわれ、大阪全労協からは郵政ユニオン、教育合同、ケアワーカーズユニオン、ゼネラルユニオンからアピールが提起された。

【西日本春闘討論集会】
春闘決起集会が終わった翌日の2月17日~18日の2日間、北九州総合労働会館で開催された。連合岐阜一般労組委員長本間高道さんの講演と特別報告、参加労組の闘争報告と質疑応答などがおこなわれた。組合員3200名を擁する国内最大の合同労組である岐阜一般労組の取り組みには学ぶべきものが多かった。また、主催者である地元労組の全国一般全国協ユニオン北九州と連合全国一般福岡地本とのナショナルセンターを超えた連携関係も参考になるところがあった。

【春闘総行動】
今年の春闘総行動は3月14日、例年と異なって郵政ユニオンによる日本郵便輸送申し入れ行動からスタートし、昼をはさんでの大阪市役所前でのアピール行動と申し入れ(【ケアワーカーズユニオン、港合同労組が中心となっている「安心できる介護を!懇談会」による介護問題での申し入れ】、【教育合同労組、なかまユニオンが協力して主務教諭問題での大阪市教委申し入れ】、【大阪YMCA労組による公設民営学校への学校法人YMCA参入問題での申し入れ】の3本)、そして午後の大阪空港に移動してのJAL不当解雇撤回争議団によるJAL大阪空港支店への申し入れ行動と展開された。

ただ今年は、全港湾、全日建関係の争議対象がプログラムに入らず、若干物足りない面があったのは否めない。

【大阪全労協2018春闘交流会】
大手労組の春闘結果は出ても中小労組はまだまだ歯を食いしばって春闘を継続しているこの時期に例年開催されるが、今年は<非正規差別を許すな! あなたの春闘、聞かせてください!>を集会テーマとして4月26日におこなわれた。メイン報告は郵政ユニオンの檞恵之さんででテーマは「20条裁判報告と今後の展望」、そして他の労組がすべてサブ報告として和やかな雰囲気で進行した。毎年そうだがこの交流会では、普段の会議では発言のない労組の参加者も含めて多くの労組が発言できているように思われる。

<維新政治との闘い>

一口に「維新」と総称される政治勢力が初めて大阪に登場して今年で11年目となる。これまで彼らは離合集散を繰り返しつつも、最盛期のボルテージはもう消えているとか言われながらも現在も国政政党・日本維新の会および地域政党・大阪維新の会として一定の勢力を保っている。
 
彼らは、経済思想における場当たり的新自由主義と歴史認識におけるトンデモ歴史修正主義をその本質としながら、大阪都構想、大阪万博、カジノ構想等に見られる向こう受けするようなテーマに飛びついて人気をあおろうとする政治的ポピュリズムの手法で、これまで何とか延命してきた。
 
当初の暴力的ともいえる組合敵視政策は橋下徹氏の「引退」とともに影を潜めつつあるかにみえるが、これまでの組合事務所問題・組合員思想調査問題・入れ墨調査問題のように直接的な労働組合の組織問題というようなことでなくとも、維新政治の本質が新自由主義と歴史修正主義にあることを顧みるならば、悪政の影響が市民生活の各領域で露呈してくることは避けられず、そのことも各産業で運動を担う労働組合の課題となっている。
 
大阪全労協の関係で言えば、ひとつは福祉・介護・医療労働者組合(ケアワーカーズユニオン)が取り組んでいる大阪市の悪辣な介護制度改悪問題である。また、大阪教育合同労組が大阪市教委を相手として取り組んでいる大阪市立学校での「主務教諭」制度問題がある。そして、2019年4月に大阪市が開校をもくろむ公設民営学校に唯一大阪YMCAが入札に応じ来年からの学校運営にあたることになったことに対して書記長が指名解雇された大阪YMCA労組がその不当性を追及している問題もある。さらには、大理生労組が経営側と共闘して取り組んでいる福祉理容への切り捨てといった問題もある。

維新の新自由主義が、「金のある者に徹頭徹尾有利な社会制度」を構築しようという思想である以上、介護や教育といった社会のセイフティネットネット機能と密接な関係のある領域での利用者・対象者やそこで働く労働者にとって大きくその権利を破壊する政策が打ち出されてきていることには理由がある。だからこそ、そこに労働組合が社会的運動としての労働運動に取り組む必然性もある。個々の取り組みについては当該労組の報告を読んでほしいが、大阪全労協としては、これら当該労組の闘いを全面的に支援しつつ、維新政治を本格的に葬るための闘いに取り組んでいきたい。

その手始めが2017年9月の堺市長選挙であった。維新候補と現職候補の一騎打ちで闘われたこの選挙には、大阪全労協加盟労組の組合員もそれぞれ積極的にかかわり維新候補当選を阻止する力の一部となった。政令指定都市では地方分権一括法の改正による2017年4月の権限移譲によって堺市は大阪府の軛から解き放たれ、それまで公立学校で府によって制定・実施されていた人事査定制度(「評価・育成システム」)が廃止された。それとともに「授業アンケート」が評価制度と切り離され、さらに人事査定が賃金昇給とは切り離されるという大きな成果を生んだ。昨年の堺市長選挙で万一維新候補が勝利しておればその揺り戻しと大阪都構想の復活もありえただけに、労働組合にとって維新政治との闘いはまだまだ重要な闘いとなっている。

<労働法制改悪反対の闘い>

安倍政権は、「岩盤規制にドリルで穴を開ける」とうそぶき、その通り国会の多数を頼みに、審議を尽くすことなく国会通過を強行した。
 
私たちは、中央の「労働法改悪反対全国キャラバン」と連携しながら、街宣活動をおこなってきた。全国キャラバンは、4月17日に東京で出発集会をおこない、その後、南北ルートに別れ、北は北海道帯広、南は沖縄からスタートした。全国各地の労働組合が宣伝カーを出して流し街宣やビラ撒き、また、各地の政党や労働局に要請行動をおこないながら、法案の廃案を訴えてきた。大阪では、5月14日におおさかユニオンネットワークなどの取り組みがおこなわれた。朝から大阪市内のターミナルを巡って宣伝活動をおこない、午後は公明党、自民党への要請をおこなった。公明党は低調な対応で労働担当に伝える、とのことであったが、自民党は会えない、帰れの一点張りであり、傲慢な姿勢であった。後日も申し入れをおこなったが同様であり、最後は警察を呼んでまで、申し入れを拒み続けた。
 
高度プロフェッショナル法案は、労働時間の管理を使用者がしなくても良く残業代も発生しない、というこれまでの労働基準法を根幹からゆがめる改悪である。
 
しかも、誰が必要性としているのかについて、結局政権はヒアリングをまともにやっておらず、経営団体の要請のみで強行してきた。基礎となるデータも間違いが露呈し野党からは法案の出し直しを求められるという事態でもあった。
 
結局、この法案は、自民党・公明党に維新が賛成して多数の力で強行可決されてしまった。また、残業時間上限規制に関しても、100時間以上の残業を罰則で禁止する、すなわちそれ以下は罪に問わないという事となってしまった。確かに、36協定さえ締結すれば残業時間に上限が設定されていない、ということは問題ではあるが、では、過労死基準として労働局が設定した月80時間はどうなるのか。
 
このような「改善」に期待を寄せた連合指導部の労働法改悪に対する中途半端な姿勢が安倍政権の後押しをしたことは間違いない。後世に傷を残した労働界の禍根として記憶されねばならない。
 
法案は通ったが、実態はこれからであり、労働基準法の骨抜きを許さない現場からの闘いを粘り強くおこなっていく必要がある。 

 <脱原発へ向けて>

大阪全労協は2018年3月11日におこなわれた「さよなら原発関西アクション」への参加を加盟労組へ呼びかけた。残念ながら大阪全労協から参加はできなかったが、全労協本部は2018年3月に福島連帯キャラバンをおこなった。大阪全労協青年部は全労協青年委員会が201710月に開催した福島フィールドワークに参加し、福島県相馬市の原発事故の影響について現地で学習や交流をした。

各加盟組織や個々の組合員の立場でも脱原発の活動に取り組んでおり、市民の大多数は原発の再稼働に反対し、速やかな脱原発を求めている。

脱原発が多数派であるにもかかわらず、政府は財界と結託し原発再稼働を進めている。先日経産省が発表したエネルギー基本計画の骨子案によれば、原発について「重要なベースロード(基幹)電源」とし、「2030年度に原子力発電の占める割合を20%強へ」と記載されている。

福島の事故で明らかなとおり、原発事故は未曾有の大災害をもたらし、私たち人類はこれを抜本的に解決する術を未だ持っておらず、使用済み核燃料の処理や廃棄方法も確立していない。日本学術会議は2017年9月に原子力発電の技術的問題点を指摘し、「再生可能エネルギー等への転換」を提言している。(「我が国の原子力発電のあり方について -東京電力福島第一原子力発電所事故から何をくみ取るか」参照) 脱原発そして再生可能エネルギーこそ世界の流れであり、ベトナム社会主義共和国が原発計画を中止したことはその一例である。

しかしながら、原子力発電の代替と位置付けられる再生可能エネルギーの問題点を無視してはならない。先ほど例に挙げたベトナムでは、隣国ラオス人民民主共和国によるメコン川での水力発電で増える電力需要に対応する計画である。メコン流域では、相次ぐ水力発電用ダムによる環境破壊が懸念されている。国内でも、メガソーラーと呼ばれる大規模太陽光発電所の建設による土砂崩れや森林破壊が起きている。
環境への悪影響を防ぎつつ再生可能エネルギーを導入することは、技術的に十分可能である。私たち大阪全労協は、広範な市民や諸団体と連携し、環境にやさしい再生可能エネルギーを普及させ、「原発不用」の社会を実現しよう!

<反戦・平和の闘い>

「平和こそが安心した暮らしと仕事を支えるもの」と、大阪全労協は、反戦や反基地の闘いを担ってきた。この1年は、朝鮮半島をめぐって一層、そのことが課題として浮かび上がった。

65年も続く休戦協定を平和協定に変え、朝鮮戦争を終わらせることをめざして、共和国による「核・ミサイル」をバックにした交渉要求が起こった。世界は大騒ぎ。トランプ政権は空母を周辺に配備すると戦争の恫喝をし、安倍政権は、それに乗じてミサイル危機を大宣伝し、Jアラートなど避難訓練などで戦争をあおり立てた。朝鮮半島で戦争が起きれば、東アジアには計り知れない災禍がもたらされる。対話による解決の道を切り開いたのは、韓国のろうそく革命によって誕生した文在寅政権だった。
安倍政権は平和に逆行して戦争できる国づくりを進めている。沖縄では、辺野古新基地建設に反対する民意を無視し、抵抗する住民を機動隊で暴力的に排除をしながら、埋め立て工事が強行されている。岩国や京丹後でも、住民の民意・安全安心を無視した米軍基地強化がおこなわれている。米軍基地強化は日米軍事行動強化の当面の要である。軍事費は過去最大の5兆1820万円! 「専守防衛」の建前を捨て、自衛隊を海外出動できる軍隊にする憲法改悪が進められようとしている。

戦争する国は差別を強め、人権をなくす。秘密保護法、共謀罪など、戦前を思い起こすような監視の法律が作られてきている。いま貧富の差が広がり、社会が荒れ、閉塞感が高まる中で、他国への憎悪を煽る排外主義やヘイト集団がはびころうとしている。戦争が何も解決せず、憎しみと災禍をもたらすだけなのは、先の大戦でハッキリとしている。ふたたびの戦争を許さず、平和・対話や共生の道を実現していくことが、今ほど求められているときはない。

大阪全労協では、幹事会での呼びかけをおこない、しないさせない戦争協力・関西ネットワークや戦争させない!9条壊すな!総がかり行動の一翼を担い、また、沖縄や岩国・京丹後などの反基地闘争に参加できる人を支援してきた。何が起こっているのかをめぐる学習や討論は、時間がなく、まだまだこれからである。私たちの明日を決める重大な問題のひとつとして、大阪全労協で深めていく必要がある。
<天皇制に対する闘い>
2019年4月30日、現天皇アキヒトはその天皇位を退位し、翌5月1日に現皇太子ナルヒトが新天皇として即位することが今年2018年になって明らかにされた。また、同時に新天皇即位とともに「元号」も改元されることも決められた。その5月1日には即位の儀式やその他さまざまな皇室行事によって一日中社会全般が天皇一色に染め上げられるであろうことは想像に難くない。しかし、この日は同時私たち労働者にとっては最も重要な闘いの日であるメーデーである。私たちは、予定通りこの日を例年同様の労働者の闘いの日として粛々と取り組んでいく。

そもそも、労働者の解放と基本的人権の確立を求める立場から言えば、出自・家柄によって特権的生活が保障される天皇制は相容れない。同様に出自・家柄によって不当に差別される部落差別がいまだに解決されていない現実を考えると、かつて解放運動の中で語られた「部落の解放なくして労働者の解放なし」という言葉は今でも深い意味を持っている。
しかし、残念ながらこれまで私たちは具体的に天皇制にかかわっての方針や取り組みを持たないできた。今回の問題を契機に、考え動き始める第一歩としたい。
当面、以下の方針を掲げ取り組んでいきたい。

私たちの生活を支配する天皇制に反対する。その具体的表れである「日の丸」「君が代」
「元号」に反対し、敬礼しない、歌わない、使わないよう呼びかける。

2019年5月1日に予定されている天皇の「即位」-「代替わり」をきっかけとする天皇
賛美の動きには反対する。また、その日を「祝日」とすることについて通常通りの労働日とすることを要求する。

5月1日の労働者の闘いの日であるメーデーの取り組みに対して、万一「代替わり」行
事を理由に変更を強いるような動きがあれば、メーデーの歴史的意義を擁護し、断固として反撃し、例年通りのメーデー行動を実施する。

<共闘団体について>

日本航空不当解雇撤回大阪支援共闘会議
20101231日に165人が不当解雇された日本航空(JAL)争議。ただちに国民共闘会議か結成されて全労協も参加し、大阪でも支援共闘会議に大阪全労協として加盟している。

解雇撤回の裁判は最高裁で不当判決を受けたが、ILOの第3次勧告や不当労働行為の最高裁勝利判決を武器に本社行動や全国の空港宣伝行動、JALの各支店申し入れ行動などでJALに解決を迫ってきた。それがいま大きな転機を迎えている。JALがLCCの子会社設立に当って、これまでの争議団を含めてこれまで労使関係を変更する意向を示す気配がある。とはいえ、まだまだ会社の姿勢も不鮮明であり、追及の手を緩めてはいけない。これを「ラスト・チャンス」ととらえ、「今年こそ解決する」決意で支援を継続していきたい。

過労死防止大阪センター
過労死等防止対策推進法は2014年に議員立法として全会一致で採択された。それを契機に法律家団体、過労死家族会、NPO、労働組合などが集って過労死防止センターが結成され、過労死防止大阪センターには大阪全労協も加盟している(形式上は個人加盟の形態)。春にはセンターの総会&記念講演、秋には厚労省主催の過労死等防止啓発シンポジウムの企画・運営協力、学校教育での啓発事業への協力、大阪労働局との懇談会など、その活動も定着しはじめている。働き方改革一括法の可決・成立で過労死の増大が危惧されるが、センターとしての活動のなかで具体的な対応を検討していきたい。

中之島メーデー
大阪全労協、全港湾大阪支部、全日建関西生コン支部が事務局を務め、ほかにコミュニティユニオンなどが参加して「中之島メーデー」を形成してきた。来年は前日に天皇の生前退位があるが、一方で第90回メーデーという記念すべきエポックメーキングなイベントとしていきたい。

おおさかユニオンネットワーク
大阪全労協とおおさかユニオンネットワークは結成期日も近く、ともに不即不離の関係を維持してきている。大阪全労協結成当時の組合はすべてユニオンネットワークにも加盟している。春の春闘決起集会や春季大阪総行動などの争議支援、反戦平和、教科書問題、国際連帯などさまざまな課題で行動をともにしている。

ほかにも課題別では、しないさせない戦争協力関西ネットワーク、とめよう改憲!おおさかネットワーク、Stop!辺野古新基地建設!大阪アクション、日朝日韓連帯大阪連絡会議(ヨンデネット大阪)など共闘組織が数多く存在し、各組合レベルで参加している場合もある。さらには、集会・デモなどで組合員の参加要請や、スタッフや宣伝カーなどでの協力要請もあり、可能な範囲で対応している。

また、共闘組織ではないが、大阪労働者弁護団にも多くの組合が賛助団体として参加し、大阪全労協も友誼団体との関係を維持している。

<定例幹事会と事務局会議>

毎月1回、原則第1木曜日の定例幹事会は非常に重要な意味を持った会議である。組合の現状を出し合い、争議の進め方や闘いの知恵を交流しあう。また、現在の社会情勢や政治の動きについても労働者の立場からそれがどうなのか、という点で問題意識を共有する場でもある。積極的な参加をお願いしたい。
 
残念ながら、幹事会への欠席が半ば固定化しつつある組合もなくはない。とくに、各組合の執行部の世代交代が進んでいる時期だけに、さまざまな世代の人間が意見交換する幹事会での議論に参加することには大きな意味があるので、ぜひとも各組合の幹事には毎回参加を改めて要請する。なお、欠席が固定化している組合の問題ともかかわって、本大会に会費未納労組の取り扱いに関する大阪全労協規約改正案を提案している。検討をお願いしたい。
 
事務局会議は、幹事会と幹事会の間をつなぎ、幹事会では対応しきれない性質の議論も含めた重要な組織運営の会議である。そしてまた、その議論を踏まえて幹事会で組織として物事を協議し判断していくサイクルを確立させたい。